市政報告
令和6年度12月議会 質問文 要約
1.令和7年度予算について
Q)予算編成方針とその特徴について
A ) 歳入、市税が300億円を超えるものと見込み
地方交付税及びその他の国からの交付金については、増減はあるものの、全体としては令和6年度当初予算を若干上回るものと見込み
歳出、人件費が給与費の上昇や職員数の増により増加、扶助費も児童手当給付費や障がい福祉費等の制度拡充や利用者数の増により増加が見込まれるほか、豊穂川流域等排水強化対策、間々田地区新設保育所整備事業等の普通建設事業、第2期エネルギー回収推進施設建設に伴う小山広域保健衛生組合への負担金の増加、老朽化が進む公共施設の長寿命化や緊急修繕への対応等、歳出全般に渡り経費の増加が見込まれている。
令和6年度に完成を予定している「田園環境都市おやまビジョン」の実現に向けて、全ての市民が快適に暮らし、住みやすい、住み続けたいと感じられる、より良い暮らし(ウェルビーイング)を目指し、新たな重点項目
① 「市民から要望されている緊急課題への対応」
② 「市民との共創」
③ 「田園環境を維持していくための農村地区への強力な支援」
④ 「こども子育てへの支援の拡充」
⑤ 「より良い暮らしに向けたさらなる投資」
⑥ 「次世代に向けた環境問題への対応」
Q)「こども子育てへの支援の拡充」について
A) 不登校への対応や、地域でこどもが安心して過ごせる居場所を求める声の高まりなど、学校との連携が不可欠な課題も増えていることから、教育委員会及び保健福祉部のこども関連部署を一体化する組織改編を行い、一元的に課題解決に取り組む体制とする予定。
また、本年度策定予定の「おやまこどもプラン」においても、こどもを権利主体とした切れ目ない相談・支援体制に基づく計画としたほか、市とこどもに関わる民間団体等とが連携して、地域全体でこども・子育て環境の向上に取り組んでいく。
Q)「田園環境を維持していくための農村地区への強力な支援」について
農村地域の美しい環境を保全しつつ、地域コミュニティを維持していくためには、農村地域の人口を維持することが必須であることから、まずは若い世代に農村地域へ移住していただくための施策に取り組む
また、持続的な農業の確立に向けて、関係機関と連携した新規就農者への支援や、慣行農業とのバランスを図りつつ有機農作物の生産による付加価値化を進めるなど、各種施策に取り組む
2.子育て支援について
Q)産後ドゥーラと子育て相談事業 家事支援について
多胎も含め、育児に不安を抱えることがないよう、家事支援での利用時間を拡充することはできないか。また、相談事業 家事支援での支援員の方に、産後ケアや子育ての専門の支援ができるようドゥーラ育成と活用のための補助はできないか
A) 市では、特定妊婦や要保護児童、ヤングケアラー等のいる家庭に対しヘルパーを派遣する「子育て世帯訪問支援事業」を新規事業として立ち上げ。
家庭の状況に応じて利用時間を拡大し、産後ドゥーラも加えて派遣する予定。
多胎の方を対象に、産後ドゥーラやヘルパー派遣を行う「産前産後ヘルパー派遣事業」を次年度 開始に向け準備を進めている。産後ドゥーラの育成補助につきましては、調査研究していく。
Q)庁舎内保健センター等への案内について
庁舎西側入口に「保健センター入口」と表示してあるが、検診室や子ども家庭センターまでの経路が分かりにくい。健診や子育ての相談にきた方が安心して目的の場所まで行けるような、案内表示ができないか。
A) 初めてお越しになった方でもスムーズに保健センターに到着することができるよう保健センター入口、1階・3階のエレベーターホール等にわかりやすい案内板等の設置を検討する。
3.教育行政について
Q)「(仮)小山市学校適正配置等基本計画」の策定に向けた状況について
A)平成26年に市民の代表者等で 構成する「小山市学校適正配置等検討懇話会」より提言を受けてから 年数が経過し、教育環境を取り巻く様々な状況が変化していることから、令和5年度に検討懇話会を再度設置し、提言書の見直しを行って いく今年度末に検討懇話会から提言を受けた後、令和7年度に「(仮称) 小山市学校適正配置等基本計画」を策定する予定です。「未来を担う子どもたちの よりよい教育環境をめざすこと」を基本理念とする
美田中学区の学校適正配置等については、寒川小学校の児童数の著しい減少が見込まれることから、早急な検討・協議が必要であると考え、現在、提言書及び基本計画に先んじて、美田中学区の 各小中学校の学校運営協議会、保護者及び各地区の自治会長等に対し、現状及び今後の協議に向けた説明会を順次開催している。令和7年度には、各学校関係者の代表からなる検討協議会を設置し、本格的な協議を開始したいと考えている。
Q)すでに、人数が少ない学校の現状があり、少人数を理由としての小規模指定校変更等など含め、現在、課題に対し直面されているご家庭への対応について。
A)現在、「小山市立学校通学区域に関する規則」において就学する学校を指定しているが、指定校以外の学校に就学したい場合の 「指定校変更制度」を設けている。 指定校変更の許可基準には、学期の途中での通学区域外への住所変更、不登校等、特別支援学級を置く学校への就学、また、中学校隣接希望選択制、小規模特認校制度、乙女中学区小学校希望選択制度等がある。 様々な教育のニーズに対応する方法の1つとして、小学校希望選択制度の導入が検討課題としてある。 小規模校から標準規模・大規模校への変更は、小規模校の児童数の 減少を招き、学校の存続にも影響があることから、小学校希望選択制度の導入等については、その目的や対象とする学区等を踏まえ、慎重に検討して参りたいと考えている。
4.有機農業の推進について
Q)今年度の学校給食における有機農産物の試験導入の結果と課題、来年度のお米も含め有機農産物の導入計画について
A)今年の6月から7月にかけて10日間に渡り、市内小学校3校において、給食への有機野菜試験導入が実現。アンケート結果、「有機農業を学んだことで、より給食を残さず食べようと思った」と回答した児童は81%、農業や環境への関心を高めるきっかけとなることが期待される
調理の現場での課題
① 地域における生産量が少ないこと。事前の献立と収穫時期のずれが生じ、調達が不安定である
② 規格が小さめで不揃いなため大量調理では作業量が増え扱いにくいこと
③ 一般の慣行栽培より高価である
今後の導入に向けて、市内における有機農作物の生産状況を把握し、需要と供給を柔軟に調整できる体制と流通の仕組みを構築することが重要である。
Q)体制と流通の仕組みの構築について
A)多くの学校で学校給食に有機野菜を導入していくには、有機野菜の生産拡大とともに、各学校への配送手段の確保が必要
現在、有機野菜を取り扱える事業者は限られており、1日に多くの学校に搬入することが難しいため、当面は1日で導入する学校の数を限定して複数日に分けて導入していただくなどの形で対応
いきたい
Q)有機農作物への理解を深める取り組みについて
A)12月8日に開催予定のオーガニックマルシェのほか、オーガニックアンテナショップハレタラによる市役所やイオン小山店での出張販売、広報おやま12月号での学校給食特集。
行政主導の取り組みだけではなく、市民の皆さまによるイベントや料理教室などの支援も有効であり、官民による相互協力が重要である。
市民の皆さまによる取り組みを後押しすることで、より多くの方が有機農業に関わる動機付けになるとも考えられ、従来の取り組みに加えて市民の皆さまからの情報も集約して発信するなど、有効な支援策について検討していく。
〈要望〉
市民主体のオーガニックの活動を支援をしていく際に、小山市のオーガニックの基準等をきめていただきたい。
5.木育について
Q)11月に開催された木育キャラバンの成果について
A)木のおもちゃに触れる体験を通じて、地球温暖化の防止や多様な生き物 のすみかとして重要な役割を担う「森林」の大切さについて考える機会としてもらうため、11月9日と10日の2日間にわたり、市役所本庁舎検診室を会場に「木育キャラバン」を開催。2日間で計1,000人を超えるご家族の皆さま にご来場があった。来場者アンケートでは、30~40歳代の親と未就学児の親子連れが多く、約6割が市内にお住まいの方。改善点として多くの方から会場の狭さについてご意見あり、9割近くの方から「とても満足・満足」とご回答あり。会場全体にたくさんの笑顔が溢れており、自然の大切さに気付いてもらうという視点だけでなく、おもちゃ遊びによるコミュニケーションの創出、子どもの豊かな感性を育むという視点においても、 非常に有益な機会であったと捉えている。
Q)おもちゃ美術館の開設の見込みについて
A)公共施設整備または既存施設の活用や、市民が利用しやすい料金設定を踏まえた事業の採算性、事業を担う運営団体の選定やおもちゃ学芸員としてボランティアで従事していただくスタッフの育成・確保など、様々な課題について今後検討していく必要がある。課題を整理するために調査研究を行っていく。
6.福祉行政について
Q)厚生労働省より令和3年度に改正された社会福祉法により新設された、重層的支援体制整備事業について
A)福祉分野における相談業務におきましては、近年多様化、複雑化してきており、属性を問わない包括的な支援体制の構築が急務となっている。
市では令和2年10月から福祉総務課に「相談支援包括推進員」1名を配置し、複雑化した相談事案に対して積極的に関与するとともに、様々な福祉相談窓口を活用しながら問題解決を図っている。
令和7年度に策定予定の「第5期小山市地域福祉計画」に重層的支援体制整備事業を明記し、市における事業への着実な移行をすすめていく。
Q)「相談支援包括推進員」の雇用体制について
A)会計年度任用職員1名のみ。勤務時間の制約もあることから、高度化する相談業務を柔軟に対応することが難しくなっている。「相談支援包括推進員」のさらなる体制の充実が必要。
7.平和記念事業について
Q)来年は戦後80年となる。平和記念事業の今後について。
A)小山市では、平成4年7月に平和都市を宣言し、その趣旨に基づき、市民の平和意識を高めるため、平成7年度から生涯学習センターでの平和展をスタートし、本年度は、市役所1階多目的スペースでの資料展示や、イオンモール小山での出張平和展と併せて実施している。
今後は、これまでの資料展示等を継続しつつ、市民の皆様がより身近に平和を考えるきっかけを持っていただくため、展示内容や案内パンフレットに小山市ゆかりの方を取り上げるなど、内容の充実を図り、来年迎える戦後80年の記憶を風化させないよう、平和記念事業を継続していく。